Morikazu Kumagai 熊谷守一
熊谷守一は赤色の輪郭線と簡明な色面による「モリカズ様式」で知られる近代画家です。1880年に岐阜に生まれ、東京美術学校(現東京藝術大学)で黒田清輝らに学ぶと卒業後の1909年には第3回文展で褒状を受け画家としての人生を歩み始めます。その後、郷里の山里で5年ほどの隠遁生活を挟み再上京すると二科会、二紀会に参加して広く活躍し、1977年に97歳で東京で没しました。
生誕地の岐阜には熊谷守一つけち記念館が、終の棲家を構えた東京には豊島区立熊谷守一美術館があり常時熊谷作品を鑑賞することができます。
熊谷は生涯に渡り多くのモチーフを描きましたが、特に光や命にまつわる作品が知られており、なかでも晩年に自宅からほぼ出ることがなく描いた蟻、蝶、猫、庭の花々といった身近な画題の作品は広く知られています。また、人に流されることなく自らの道を歩んだ生き様は独特の魅力があり、熊谷が執筆した言行録『青蠅』(求龍堂)や、熊谷を取り上げた舞台「無欲の人 熊谷守一物語」(劇団民藝)、映画「モリのいる場所」(沖田修一監督、山﨑努主演)など美術以外の切り口からファンになる人々が多い異色の画家でもあります。
PROFILE
1880年 岐阜県中津川市付知町に生まれる。
1900年 東京美術学校西洋画撰科に入学。
1909年 第三回文展にて《蝋燭》が褒状を受ける。
1910年 母の死を契機に5年ほど郷里で隠遁生活を送る。
1915年 再上京し二科会に作品出品。以後毎年出品する。
1938年 この頃、油彩画に加えて日本画を描きはじめる。
1947年 二紀会の設立に参加する。
1964年 パリのダビット・エ・ガルニエ画廊で個展開催。
1967年 文化勲章の内定を辞退する。
1972年 勲三等叙勲を辞退する。
1977年 8月1日没、享年97歳。
