矢部裕輔展
Hirosuke Yabe Exhibition

矢部裕輔

2025.10.1[Wed] ―  11.30[Sun]

目次

Title

初めて矢部の作品を見たとき、いつもは見えないのに、うっかり姿を見せてしまった妖怪を目撃してしまったような衝撃と、そのユーモラスな姿に思わず口元が緩んでしまう楽しさを同時に感じた。ひとたび目にすると脳裏からなかなか離れてくれないこの存在感は、〝いつも人の傍にあるような作品を作りたい〟という矢部の思惑通りである。

矢部はあえて容易に彫り進めることができない堅牢な欅や、かつて建造物を支えてきたが今は使われることのなくなった古材などの素材を通して、独創的な造形を生み出していく。荒々しく刃の後を残した豪快で一見武骨とも見えるその作品は緻密に構想され、あえて“未完”に留めながら完成させることで、確固たる存在感を放っている。

見る者に想像させる余白と、語りすぎない作品の表情によって見え方が何通りにも変わる楽しさがある。それこそ矢部の作品の魅力である。

Exhibition

Title

Orange Gate 矢部裕輔展によせて

 

つくりたい作品は自分が本当に欲しい作品、欲しい作品が無いからつくるという想いで彫刻を作る。

 

とはいえ一方で、自分の「思い通り」にできた作品ほど、つまらないものはないという事もある。そうならないよう、極力「自分の思い通りにならない」 結果が生み出される事を心掛ける。

 

その為には、できるだけ道具は使い難い方が良い。例えば大きな鉈で木をザクザクと彫り刻む。時にはドリルの刃で削るようにグリグリと木を彫ったり。 鉈は彫刻を彫るには重く、繊細な作業に向かないし、ドリルは本来ならば穴を開けるためのもの。彼らは「私の意思」に素直には従がってくれない。

 

完成した時、自分が「欲しかったもの」からやや外れたところにあるくらいが良いのかもしれない。

 

人間とはなんなのか?

この問いをテーマに、「人」と、「人間社会」が持つ「物語」 を彫刻にしたい。

 

純粋無垢、可愛いようでいると同時に怖かったり、変な 「彫刻」たち。

願わくば、思わずぷっと笑いたくなるものを作りたい。

 

2025年9月

矢部裕輔

作家紹介

Title

矢部裕輔

彫刻家・矢部裕輔は、1972年生まれ、神奈川県出身。
東京造形大学造形学部美術学科彫刻専攻卒業後、東京造形大学造形学部美術学科研究生終了。
素材であるずっしりとした木材や小さな木片、廃材なども使い、あえて表面を木工ドリルで穴だらけにしたり、生々しい削り跡を残したままにしながら、強烈な存在感を放つモンスターや悪魔、愛らしい反面ちょっと怖さが潜む女の子やユーモラスな動物、不可解な生き物などの木彫作品を次々と生みだしている。

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